変形労働時間制について(2)
先日1ケ月単位の変形労働時間制について簡単にご説明しましたが、1年単位の変形労働時間制は単にその期間が1年に変わるだけではありません。
年間の終業時間を法定内に収まるよう均して調整するという基本は変わらないのですが、期間が長いため、1日の上限は10時間まで、1週間の上限は52時間までと決められています。
1年変形は季節によって繁閑が変わる会社などで導入されることが多いです。(例えば7月から9月の3ヶ月は忙しいので1日9時間(週45時間)労働で、1月から3月は7時間(週35時間)労働というような形です。)
こちらの導入にあたっては就業規則に明記するだけでは足りず、労使協定の締結および届け出は必須となります。
労使協定の届け出の際には会社の年間カレンダーを整備する必要があり、あらかじめ対象期間の労働日や労働時間をカレンダーによって細かく定めておく必要があります。急に忙しくなったから今月は9時間労働にするというようなことは許されていません。
また、36協定によって月45時間・年360時間までの残業が可能になると先日お伝えしましたが、1年変形を採った場合はこの限度が月42時間・年320時間になることも合わせて覚えておいていただきたいところです。
細かい決まりはありますが、会社の実情にうまくマッチしていれば、導入の手間を差し引いても有意義な制度かと思います。
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